管理栄養士は医療機関(病院)、保育園や高齢者向けの福祉施設、小学校、保健所など様々な領域に関わっています。薬局管理栄養士の仕事内容は、主に薬局に来られた患者様の栄養相談です。処方箋をお持ちいただいた患者様はもちろん、その地域に根付く薬局として未病の段階で病気を防ぐお食事のサポートに携わることが可能です。また、在宅療養をしている患者様のご自宅へ訪問し食事指導を行うことも薬局管理栄養士ならではの働き方です。

 

フレイルは英語の「Frailty」が語源で直訳すると虚弱です。筋力や心身の活力が低下する状態がフレイルで病気ではありません。日々の暮らしを工夫して、いつまでも「歩いたり・食べたり・おしゃべりしたり」ができる生活を続けていただくためにフレイル予防をおすすめいたします。

7つのフレイル予防をお試しください

  1. 毎日3食、主食(ご飯、パン、麺類等)と主菜(肉、魚、大豆製品、卵等のたんぱく質源)をあわせてしっかりと食べましょう。

  2. 野菜、きのこ類をそろえてとり、骨を強くする食品(乳製品やお魚等)も積極的にとりいれましょう。
  3. 噛む力の衰え予防に、噛み応えのある食品を選びましょう。
  4. 持久力の向上維持の為に、ウォーキングや水中歩行等の有酸素運動をとりいれましょう。
  5. 筋肉の衰え防止に、ストレッチを充分に行いましょう。
  6. 友人や家族と、お喋りやお食事を一緒に楽しみましょう。
  7. ボランティア活動や趣味を見つけ、ご自身に合った活動を積極に行いましょう。

マグロの部位は主に「赤身」と「トロ」に分けられます。

この2つの部位に含まれる健康栄養素を比較すると以下の通りです。

※マグロの成分値:日本食品成分表「天然クロマグロ100グラムあたり」参照

赤身の栄養成分は高たんぱく低エネルギー、低脂質が特徴の部位です。

魚に含まれるたんぱく質はヘム鉄という鉄分と結合しているため、たんぱく質の少ない「トロ」と比べ鉄を多く含みます。たんぱく質は低栄養やフレイル予防、鉄は貧血予防にお勧めの栄養素です。

トロの栄養成分は赤身と比べエネルギー、脂質が高いことが特徴です。

中でも脂質の成分である「ドコサヘキサエン酸(DHA)」「エイコサペンタ塩酸(EPA)」を豊富に含みます。このDHA、EPAは血液をサラサラにし、動脈硬を予防する働きがあります。

マグロなどの魚類にはビタミンDを豊富に含み、腸管からのカルシウムの吸収を促進する働きがあります。骨粗鬆症予防や小児の場合は成長に重要な丈夫な骨をつくるために欠かせないビタミンです。

赤身、トロどちらもお刺身で召し上がって頂くことをお勧めします。

生で食べることで、水や油に栄養素が溶け出す量が少なく栄養をまんべんなく摂り入れることができます。

その他、トロに多く含まれる(DHA・EPA)は脂溶性の栄養素のため油に溶けだしてしまいます。そのためDHA・EPA損失量が少ない調理方法は以下の順となります。

まぐろに含まれるDHA・EPAをできる限り多く取り入れることで効率的に動脈硬化を予防することができます

マグロは体に良い栄養素を豊富に含み、健康の維持・増進に役立つ食材ですが、注意が必要な場合もあります。海にはごくわずかのメチル水銀が溶け出しています。マグロなどの大きい魚は食物連鎖の過程で、メチル水銀が蓄積しやすい傾向にあります。通常の食事から摂取されるメチル水銀量の場合、健康に心配はありません。しかし妊娠中または妊娠の可能性のある方は食べすぎには注意が必要です。厚生労働省が提示する「妊婦さんが注意するべき種類とその摂取量の目安」は以下の通りとなります。(マグロのみ抜粋)

 

尚「キハダマグロ、ビンチョウマグロ、メバチマグロ、ツナ缶については水銀の含有量が低いため妊娠中、妊娠の可能性がある場合も身体に影響がない為バランス良く摂取してください」とされています。

※妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項(平成22年6月1日改訂)/厚生労働省

URL:https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/index-a.pdf

妊婦さんはもちろん、生まれてくる赤ちゃんの健康のためにも量には配慮しながら様々な食材から栄養素を摂り入れてみてはいかがでしょうか。

記:徳永薬局(管理栄養士)